神経科学Sleep 2003
睡眠不足は溜まり続けるのに、本人だけが気づけない
6時間睡眠を2週間続けた人の成績は、2晩徹夜した人と同じところまで落ちた。それでも本人の眠気の自己申告は、ほとんど上がらなかった。
キーワード
寝ている間の脳は休んでいない。その日の経験を再生し、残すものを選び、細胞のすきまを広げて老廃物を洗い流している。徹夜で失うのは時間ではなく、この工程そのものだ。
6時間睡眠を2週間続けた人の成績は、2晩徹夜した人と同じところまで落ちた。それでも本人の眠気の自己申告は、ほとんど上がらなかった。
課題に隠された近道に気づいた人は、8時間眠った群で6割、眠らなかった群で2割強だった。睡眠は覚えるだけでなく、構造を取り出している。
睡眠は記憶を保存する時間ではない。何を残すかを選別し、作り直す時間である。
起きているとき一緒に発火した細胞は、そのあとの睡眠中にも同じ組で再生される。脳は昼の経験を夜に反芻している。
睡眠中、脳の隙間が広がり、日中にたまった老廃物が洗い流される。眠りは脳の清掃時間でもある。