強いストレスは、真っ先に「考える脳」を落とす
強いストレスは、脳の中で最も高度な前頭前野の配線を一時的に切る。判断は反射と習慣に明け渡される。だから、平時に良い習慣を仕込んでおく。
脳という物体が、実際にどう動いているか
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強いストレスは、脳の中で最も高度な前頭前野の配線を一時的に切る。判断は反射と習慣に明け渡される。だから、平時に良い習慣を仕込んでおく。
脳の中には、床全体を等間隔の三角格子で覆う細胞がある。場所を覚えるのではなく、空間の座標系そのものを自分で引いている。
脳は写真を保存していない。「意味」まで潰してから保存している。
使った脳の部位は、大人になっても物理的に育つ。ただし、別の部位と引き換えに。
睡眠は記憶を保存する時間ではない。何を残すかを選別し、作り直す時間である。
ドーパミンは快楽の信号ではなく「予想との差」の信号。予想どおりの報酬には、脳はもう反応しない。
使った脳は、大人でも物理的に育つ。そして使うのをやめると、育った分は縮んで戻る。
ドーパミンが作るのは「欲しい」であって「好き」ではない。強く欲しても、手に入れて嬉しいとは限らない。
理屈は無事でも、感情の信号を失った人は、損な選択を繰り返す。判断は感情に支えられている。
課題に集中すると活動が下がり、ぼんやりすると上がる領域がある。脳に「オフ」は無い。
起きているとき一緒に発火した細胞は、そのあとの睡眠中にも同じ組で再生される。脳は昼の経験を夜に反芻している。
固定されたはずの記憶も、思い出した瞬間に不安定になり、書き直せる状態に戻る。
ある記憶を担う細胞の集まりを特定し、そこを光で刺激するだけで、その記憶を呼び起こせた。記憶には物理的な実体がある。
有酸素運動を1年続けた高齢者は、加齢で縮むはずの海馬が逆に大きくなった。運動は記憶への直接の介入だ。
短期記憶は既存のシナプスの調整で足りるが、長期記憶には遺伝子が働き、新しい接続が作られる必要がある。
前頭前野は、目標を保ち続け、それに沿って他の脳を導く。目標が揺らぐと、強い習慣や刺激に流される。
海馬を取り除くと、新しい記憶が一切作れなくなる。だが昔の記憶と技能の習得は残る。記憶は一枚岩ではない。
睡眠中、脳の隙間が広がり、日中にたまった老廃物が洗い流される。眠りは脳の清掃時間でもある。
脳は入力を受け取るのでなく、絶えず予測し、予測との「ズレ」だけを処理する。見えているのは予想の産物だ。
恐怖には、意識を経ずに扁桃体が体を反応させる速いルートがある。反応が先、理解が後になる。
視界の多くは、脳の限られた処理を奪い合っている。注意とは、勝たせたいものに肩入れする働きだ。
脳は体の内部状態も予測している。感情は、体からの信号そのものより、脳の予想に強く形づくられる。
学習でシナプスを強めるだけだと暴走する。脳は全体の活動量を一定に戻す仕組みで、安定を保っている。
海馬には、特定の場所にいるときだけ発火する細胞がある。脳は、世界の地図を細胞で持っている。
社会的に排除されたとき、脳は身体の痛みと同じ領域を活動させる。「心が痛い」は比喩ではない。
ストレスと脳の働きは逆U字。適度な負荷は力を引き出すが、慢性的・過剰なストレスは脳を削る。
自分が動くときと、他人が同じ動きをするのを見るときに、同じ脳細胞が発火する。理解は模倣に根ざす。
他人の考えや意図を推し量るとき、決まった脳の領域が働く。心を読むのは、専用のしくみを使う能力だ。
思春期は、報酬を求めるアクセルが先に育ち、抑えるブレーキが後から育つ。無謀さは意志でなく発達の時間差だ。