心理学JPSP 1998
意志の力は使うと減る——という話が、その後どうなったか
我慢を1回すると、次の課題で粘れなくなる。意志は筋肉のように消耗するという有名な説だが、大規模な追試では効果がほぼ消えた。
キーワード
差がどれくらい大きいかの指標。「有意差あり」は、差の大きさについて何も言っていない。サンプルを増やせば実用上どうでもいい差でも有意になるので、見るべきはこちらと、その不確かさの幅だ。
我慢を1回すると、次の課題で粘れなくなる。意志は筋肉のように消耗するという有名な説だが、大規模な追試では効果がほぼ消えた。
ペンを歯で咥えて笑顔の筋肉を使わせると、同じ漫画をより面白いと評価した。ただし17研究室による追試では、効果は再現しなかった。
米国統計学会が、創立以来はじめて統計手法の使い方について公式声明を出した。p値についての6つの原則は、どれも当たり前で、どれも守られていない。
有名な研究でも、もう一度やると同じ結果が出ないことがある。論文1本を根拠に生き方を変えない。
p値は「効果が無いのにこのデータが出る確率」。知りたいのは逆で、そこは埋められない。
検出力が低いと、有意に出た結果ほど効果を大きく見せる。小さな研究は当たりも信用できない。