心理学JPSP 1998
意志の力は使うと減る——という話が、その後どうなったか
我慢を1回すると、次の課題で粘れなくなる。意志は筋肉のように消耗するという有名な説だが、大規模な追試では効果がほぼ消えた。
キーワード
同じ手続きで、別のチームがやっても同じ結果が出るか。心理学の主要な論文100本を追試したところ、再現したのは4割ほどだった。不正の話ではなく、研究のやり方と発表のされ方の問題だという点が重要だ。
我慢を1回すると、次の課題で粘れなくなる。意志は筋肉のように消耗するという有名な説だが、大規模な追試では効果がほぼ消えた。
ランダムに選んだ子を「これから伸びる」と教師に伝えただけで、その子たちのIQが実際に上がった。ただし効果の大きさには長い論争がある。
ペンを歯で咥えて笑顔の筋肉を使わせると、同じ漫画をより面白いと評価した。ただし17研究室による追試では、効果は再現しなかった。
米国統計学会が、創立以来はじめて統計手法の使い方について公式声明を出した。p値についての6つの原則は、どれも当たり前で、どれも守られていない。
有名な研究でも、もう一度やると同じ結果が出ないことがある。論文1本を根拠に生き方を変えない。
決め方を後から選べる状態でデータを見ると、偽陽性は5%では済まない。60%を超える。
「有意」は「正しい」ではない。もとの当たりが少ない分野では、有意な結果ほど外れが多い。
検出力が低いと、有意に出た結果ほど効果を大きく見せる。小さな研究は当たりも信用できない。