神経科学PNAS 2004
脳は後ろから前へ、20代半ばまでかけて仕上がっていく
同じ子を10年追って脳を撮り続けると、皮質は後ろから前へ順番に仕上がっていく。いちばん高度な前頭前野が、いちばん最後に終わる。
キーワード
脳が、使い方に応じて構造そのものを変える性質。3ヶ月の練習で灰白質が増え、やめれば戻る。歩くだけでも増える。ただし「強くすれば良い」話ではなく、全体の釣り合いを取る仕組みが同時に働いていなければ回路は壊れる。
同じ子を10年追って脳を撮り続けると、皮質は後ろから前へ順番に仕上がっていく。いちばん高度な前頭前野が、いちばん最後に終わる。
ストレス反応そのものは体を守る仕組みだ。害になるのは、その反応が切れずに続くこと、そして必要なときに立ち上がらないこと。
使った脳の部位は、大人になっても物理的に育つ。ただし、別の部位と引き換えに。
使った脳は、大人でも物理的に育つ。そして使うのをやめると、育った分は縮んで戻る。
有酸素運動を1年続けた高齢者は、加齢で縮むはずの海馬が逆に大きくなった。運動は記憶への直接の介入だ。
短期記憶は既存のシナプスの調整で足りるが、長期記憶には遺伝子が働き、新しい接続が作られる必要がある。
学習でシナプスを強めるだけだと暴走する。脳は全体の活動量を一定に戻す仕組みで、安定を保っている。
ストレスと脳の働きは逆U字。適度な負荷は力を引き出すが、慢性的・過剰なストレスは脳を削る。
思春期は、報酬を求めるアクセルが先に育ち、抑えるブレーキが後から育つ。無謀さは意志でなく発達の時間差だ。